鎌 倉・江 島

鎌倉を 生きて出でけむ 初鰹   芭蕉翁真蹟集

 鎌倉や 昔どなたの 千代椿    一茶発句集

   鎌倉の 見越しの崎の 石崩の 君が悔ゆべき 心は持たじ              万葉集 巻14-3365
 薪樵る 鎌倉山の木垂る木を 松と汝が言はば 恋ひつつやあらむ                万葉集 巻14-3433

我一人 鎌倉山を 越え行けば 星月夜こそ うれいかりかれ                 後堀川百首
   かき曇り などか音せぬ 不如帰 鎌倉山に 道や惑へる                       実方集 藤原実方
民の田も 賑わいにけり 秋の田を 刈りておさむる 鎌倉の里             実方集 藤原実方

 忘れ草 刈り摘むばかり なりにけり 跡も留めぬ 鎌倉の山             公任集 大納言公任      
詠(なが)め行く 心の色ぞ 深かりき 鎌倉山の 春の花園                       慈鎮和尚

都思ふ 春の夢路も うち解けず あな鎌倉の やまのあらしや                 法印尭慧
宮柱 太しき立てて 萬づ代に 今ぞ栄えむ 鎌倉の里                 古今和歌集 源実朝
昔にも 立ちこそ勝れ 民の戸の 煙賑はう  鎌倉の里                  夫木和歌集 藤原基政
十年あまり 五年までに 住み馴れて なほ忘られぬ 鎌倉の里                中務卿宗尊親王