陸奥は いずくはあれど 塩釜の 浦こぐ舟の 綱手かなしも            古今和歌集
我が背子を 都にやりて 塩釜の 籬の島に 待つぞ悲しき                 古今和歌集
塩釜に いつか来にけん 朝凪に 釣りする舟は ここに寄らなん            伊勢物語 在原業平
塩釜の 浦には海人や 絶へにけん などすなどりの 見ゆるときなき            平 兼盛
陸奥の 千賀の塩釜 近ながら 遥けくのみも 思ほゆるかな                古今六帖 伊勢 
小夜ふけて 物ぞ悲しき 塩釜の ももはがきする 鴫の羽風に                  能因
わが思ふ 心もしるく 陸奥の 千賀の塩釜 近かずきにけり                   山口女王
君まさで 煙たへにし 塩釜の 浦淋しくも みえわたるかな              古今和歌集 紀貫之
塩釜の 浦に波たち 小夜ふけて わが身の上と 思ひしものを              能因
陸奥の 千賀の浦にて みましかば いかにつつじの をかしからまし        藤原道綱の母
塩釜の 浦吹く風に 霧り晴れて 八十島かけて すめる月影                   千載和歌集
秋露の まがきの嶋の へだてゆゑ そこともみえぬ ちかの塩釜             新続古今和歌集
ちはやぶる 神もねのひと 思へばや 煙たなびく しほがまの松          橘 為仲

下 日本三奇の一つ御釜神社 塩竃市本町   塩竃の地名の由来となった釜が四つ安置されている 塩土老神翁が海水を炊た製塩に使ったという直径1.4mの大鉄釜4つが御神体として安置されている 常に水をたたえていて吉凶を水の色で占う 毎年7月には塩竃神社例大祭の神饌の調進する特殊神事『藻塩焼神事』が行われる塩竃神社の末社でも特別な神社である
左 塩竃神社境内志波彦神社からの塩釜港(千賀の浦)
昔は埋め立てによるビルはなく花の下までが海でした ですから明治天皇が絶賛した『またとない景色』の碑がある



千賀(塩釜)の浦

 



左 国指定重要文化財 塩竃神社正面表参道の石段

国指定重要文化財塩竃桜 境内には27本の塩竃桜は40から60枚の花弁を付ける 満開はソメイヨシノより10日ほど遅い5月初旬とのこと

あけくれに さぞな愛で見ん 塩釜の 櫻の本に 海士のかくれや    堀河天皇御製